昏々と眠る彼女の指が一度震える。
藍の空に黒く映るのはどこかの家のようだ。
木々がうっそうと茂る中、夜の怖さから逃れたくて家に入る。はいると玄関と電話台があり、ああ、これは以前住んでいた家だとわかる。でも夜は私を逃してはくれず、藍の空がそこに迫っている。
電話台に壺があり、猛烈な便意を覚えた私は、壺のふたを開け、腰を下ろす。
カドミウムイエロウの油絵の具が壺から溢れ、うわ、汚い、と思うが、臭くない。ふと気付くと家の中ではない。外だ、と藍の空を見上げて気付く。夜はやはり私を逃してはくれない。
諦めて、目を落とすと、2つの光がちらちらと見える。
白い小動物だ。光っているように見えたが、白いせいかと思うが、光る粉のようなものが動きの軌跡を描いている。2匹は手のひらに収まる白い狐と龍だった。
何か不満げに話しているようだが、当然何なのかわからない。
気付くと、目の前に鏡があり、女の子が閉じ込められている。どうやら、2匹の不満はそこにあるようだ。
何となく指でつついたら、鏡は風船がはじけるように割れて、女の子が飛び出し、壺から水があふれ、その勢いで藍の空に放り出された。
女の子は実は龍だったらしく、本来である、火を守る役割が出来ると嬉しそうに話しながら、夜明けに向かって行く。狐は火の勢いを助ける風のようで、2匹はくるりくるりと円弧を描きながら夜明けに向かっていく。
ぽかんと眺めていたら、眠っていた彼女が目覚めているのが分かった。彼女は私だった。
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