2013年6月23日日曜日

裏庭の空間移動装置

有名セレブの娘とその世話係が忽然と消える事件があった。
実は空間移動装置を使ったものだ。この空間移動装置、その時代では移動先を特定できない欠陥が致命的で、人間に対しての使用は見送りになったのだ。

何らかの経緯で、私のチーム3名は事象を確認しにいくこととなった。
人がいなくなった代表的事件であったからだ。

到着し、屋敷の地下に向かう。地下は1フロアで、2面がガラス張りの部屋だ。掘り下げて作った庭が広がっており、苔むした広い空間に背の低い松や岩が配置されており、和風のようだ。

到着し、娘とその世話係に見つかってしまったため、2人を救ってみると伝える。娘は受け身なのか、反応があまりみられない。世話係は、30くらいの青年で、娘にせがまれたDJ役をしており、黒いスーツにデカいヘッドフォンという妙な出で立ちだった。

ソファやら低いテーブルは良いものと一目でわかる。部屋の中央に機械機械した空間移動装置が黒々として存在感を示しており、家具とのコントラストが奇妙この上ない。
なぜ、と視線で娘を見るも、娘は無気力に外を眺めている。世話係はその娘を心配そうに見ていた。
これは、と、勘付いた。

早速、事件の発生した時刻になると、空間移動装置から、緑の光線照射が始まる。
逃げても逃げても娘を狙っている。必死に匿うが、執拗に娘を光が狙う。ふとした瞬間に、娘が光に捉えられて、飛ばされてしまった。カーテンだけがひらひらと風になびいている。
世話係は、では、と言って娘の後を追ってしまった。
これは、仕組まれた駆け落ちだつたのだ、と気づく。チームと話し合い、屋敷を後にする。

そういえば、娘の好みらしきものが部屋に見当たらず、かつ地下に彼女の部屋があるというのもおかしな話であった、と思い当たる。彼女なりに辛い思いをして、それを知っていたのが世話係だったのであろう。
行き先は普通の幸せが待っていればいい、と思う。

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