目の前に10cm四方程度の立方体がある。真白なテーブルの上にとんと置いてある。
よく見るとピン角な訳ではないようだ。角がホンの少し取れているように見える。が、ピンとした緊張感を保っている。積み木なんだろうか。色といい、形といい、妙な組み合わせだ。
触ろうとすると、目の前の風景が歪んで見えたような錯覚に陥り、思わず緑立方体を確認する。
歪みというか、震えのような、ブレを感じ、貧血かと焦るが、実は緑立方体が震えていることに気づく。
腕を動かす際の空気の動きのみで震えるのだ。しかも、一見わからないほど小刻みに。立方体の輪郭はおおよそ保たれたままに震えるのだ。
益々この物体が何でできているのか気になるところだ。
ふ、と息を吹きかけるとむた震えている。
何となく、ほのあたたかい、流動性のある内容物なのでは、と思う。益々緑なのか、疑問である。
そーっとそーっと触ろうとして、もう一つテーブルの上に物体があることに気づく。
黄色い円柱である。
これも10cm程度の高さ、直径である。
円柱が黄色いのはなぜか違和感を感じない。
明るい澄んだ黄色が美しい。
色がクリアなせいか、硬そうにみえる。磁器なのかもしれないが、ツヤがない。素焼に近いのか、セラミックの可能性も、と思い至る。
滑らかなカーブが正確で美しい。
こん、とそこにいる。
冷たく、心地よく、そこにいる。
ふむ、と前のめりから、椅子の背もたれにカラダをあずけると、二つが一度に目に入った。
あ、これは、一対かもしれない、と直感的に思う。
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