2013年6月30日日曜日

Dance Dance Fall

なぜか教育実習を受けている。
中学生が相手らしく、うるさい聞いてない小生意気の三拍子である。
論拠のない自信と共に授業をスタートする。
席の合間を歩きつつ、質疑しながら、授業を進める。

すると、突然生徒が歌い踊るミュージカル風の授業になった。特に驚かず、こちらも調子を合わせて進める。
ところどころでテンポ遅れなどが発生するが、即興性の面白さが良い。

ステップに手応えがなく、突然落とし穴に落ちる。しかし、深いので、どこかにぶつかる様子がなく、どんどん落ちて行く。
穴の壁はブックスカルプチュアのように地層と地層の隙間に文字が見える。
あ、そうか、授業で教えた内容を深めようとしているのだな、と1人合点がいく。

2013年6月26日水曜日

緑立方体と黄円柱

椿の葉のような緑が形を持つとしたら、何が相応しいだろうか。少なくとも立方体ではない気がする。
目の前に10cm四方程度の立方体がある。真白なテーブルの上にとんと置いてある。
よく見るとピン角な訳ではないようだ。角がホンの少し取れているように見える。が、ピンとした緊張感を保っている。積み木なんだろうか。色といい、形といい、妙な組み合わせだ。
触ろうとすると、目の前の風景が歪んで見えたような錯覚に陥り、思わず緑立方体を確認する。
歪みというか、震えのような、ブレを感じ、貧血かと焦るが、実は緑立方体が震えていることに気づく。
腕を動かす際の空気の動きのみで震えるのだ。しかも、一見わからないほど小刻みに。立方体の輪郭はおおよそ保たれたままに震えるのだ。
益々この物体が何でできているのか気になるところだ。
ふ、と息を吹きかけるとむた震えている。
何となく、ほのあたたかい、流動性のある内容物なのでは、と思う。益々緑なのか、疑問である。

そーっとそーっと触ろうとして、もう一つテーブルの上に物体があることに気づく。
黄色い円柱である。
これも10cm程度の高さ、直径である。
円柱が黄色いのはなぜか違和感を感じない。
明るい澄んだ黄色が美しい。
色がクリアなせいか、硬そうにみえる。磁器なのかもしれないが、ツヤがない。素焼に近いのか、セラミックの可能性も、と思い至る。
滑らかなカーブが正確で美しい。
こん、とそこにいる。
冷たく、心地よく、そこにいる。

ふむ、と前のめりから、椅子の背もたれにカラダをあずけると、二つが一度に目に入った。
あ、これは、一対かもしれない、と直感的に思う。

2013年6月24日月曜日

演目:友情

好きなアーティストが新しくアルバムを出した。演目はその中からカバーで選ぶとして、親友と2人でステージに立つことにする。
申請はテスト形式で、出演日程やら色々記入して、回答用紙を提出した。
1位で通ったらしく、演目も最初だ。
機材担当に明日の朝までにカセットテープで演目を出して、時間調整に使わせろと言われる。しかし、カセットテープなぞもう持っておらず、途方に暮れるが、何とかなったようで、演奏当日になっている。
ギターを弾きつつ、ネクタイに手をやると、やたらアーティスティックな、紫地にトランプの刺繍が施されたものだった。何だか恥かしい。素人演奏だったにも関わらず、好評だったようで、色々お声がかかる。
やれ、めんどくさいことになった、と思う。

2013年6月23日日曜日

裏庭の空間移動装置

有名セレブの娘とその世話係が忽然と消える事件があった。
実は空間移動装置を使ったものだ。この空間移動装置、その時代では移動先を特定できない欠陥が致命的で、人間に対しての使用は見送りになったのだ。

何らかの経緯で、私のチーム3名は事象を確認しにいくこととなった。
人がいなくなった代表的事件であったからだ。

到着し、屋敷の地下に向かう。地下は1フロアで、2面がガラス張りの部屋だ。掘り下げて作った庭が広がっており、苔むした広い空間に背の低い松や岩が配置されており、和風のようだ。

到着し、娘とその世話係に見つかってしまったため、2人を救ってみると伝える。娘は受け身なのか、反応があまりみられない。世話係は、30くらいの青年で、娘にせがまれたDJ役をしており、黒いスーツにデカいヘッドフォンという妙な出で立ちだった。

ソファやら低いテーブルは良いものと一目でわかる。部屋の中央に機械機械した空間移動装置が黒々として存在感を示しており、家具とのコントラストが奇妙この上ない。
なぜ、と視線で娘を見るも、娘は無気力に外を眺めている。世話係はその娘を心配そうに見ていた。
これは、と、勘付いた。

早速、事件の発生した時刻になると、空間移動装置から、緑の光線照射が始まる。
逃げても逃げても娘を狙っている。必死に匿うが、執拗に娘を光が狙う。ふとした瞬間に、娘が光に捉えられて、飛ばされてしまった。カーテンだけがひらひらと風になびいている。
世話係は、では、と言って娘の後を追ってしまった。
これは、仕組まれた駆け落ちだつたのだ、と気づく。チームと話し合い、屋敷を後にする。

そういえば、娘の好みらしきものが部屋に見当たらず、かつ地下に彼女の部屋があるというのもおかしな話であった、と思い当たる。彼女なりに辛い思いをして、それを知っていたのが世話係だったのであろう。
行き先は普通の幸せが待っていればいい、と思う。

忍者中学生

私は絵を描く人だ。だから木炭で描いた絵を得意先に持参することになった。
届け先は遠くはないので、ウチの犬と散歩がてら歩いて行くことになった。犬はトイプードルで、ちょこまかと私の顔を見ながら足元を早足に歩いて行く。2匹いる。薄いピンク色の毛をしている。片方は白の首輪、もう片方はグレーの首輪をしている。

散歩にいい距離で到着した。
黒く聳え立つ岩壁に白い家が建っている。階段を登って家に入る。
中は広く明るい家だ。主人の到着を待つ。
すると、賊が入ってきた。びっくりはするが、怖くはない。賊は背が小さく声が高い。中学生程度のようだ。

2人捕まえて、ガムテープで縛り付けたいのだか、メンディングテープに近いテープしかなく、苦戦して縛ろうとする。彼等は間抜けな割に縄抜けは覚えていてするするするする抜ける。縛れない。
何やら私の絵をしきりに気にしている。行儀良くすれば、見せてあげるというと、途端に嬉しそうにする。

得意先の主人もやってきて、私の絵を観ることにした。

2013年6月22日土曜日

複層団地

昔、祖母が世話になった方もかなり高齢の筈で、お礼とお見舞いを兼ねて伺うことにする。
巨大団地のどこかにお住まいらしいのだが、さっぱりわからず、人に聞いて回る。やたらグレーな団地で、芝生までグレーだった。

病院に入院中とのことで、お花を渡して、帰ることにする。
父と弟と従姉妹の医師が一緒だった。
父の車に乗り込むと、弟と従姉妹は駐車場の動物にかまっており、なかなか乗り込まない。
父が起こって車を出すと、慌てて追いかけてきた。
立体駐車場なので、ぐるぐる降りる。

追いついて、やっと何か言うも、父の怒り覚めやらず、雰囲気がよろしくない。
雨が降り出したことが、パラパラと言う音でわかる。

視点による悲喜劇の差分と昇華のための高温酸化

あの人の家がわかる。
一軒家が建っている。
大きな窓があって、日の当たる場所であの人が寝転んで本を読んでいる。傍にその人がいる。
わかっていることだが、胸が痛む。嫉妬なのか、哀しみなのかはわからない。ただ胸が痛い。

招かれるが、屈辱この上ない。
早く帰りたいが、真相を知りたい気持ちもあって、じりじりしながら、お茶を飲む。味なんぞ当然わからない。

いつの間にか、眠ってしまったらしく、焦って体を起こそうとすると、寝室らしき部屋から2人の気配がする。逃げ出したくて堪らずにいたら、体にやたら明るく光る火がついた。これで、昇華できると思い、安心する。

2013年6月19日水曜日

錦鯉登坂電車

田舎風景が続く。畑やポツポツ見える家々の合間を乾いた風と一緒に電車は抜けていく。
これも唐突にぽつんと登場した、簡素な駅に到着した。やたら古い。改札には誰もいない。私たちの他には人が見当たらない。そう、なぜかあの人と一緒だ。

観光調査をしなければならないようだ。その場で名物をPRするカタログなどを確認する。
駅の奥は乗り換えのホームになっており、登坂電車が出るようだ。来る途中には見えなかった。傍に深そうな川がある。グレーに濁っており、深さがわからない。
菖蒲のような草が生えている。草の根は川の中だ。草の間を赤白が動いている。錦鯉の小さいもののようだ。鯉がいる、と伝えようとすると、あの人は川に入っていた。腰まで浸かっており、危ないからと制するものの、にこにこしている。
電車が来る音がするので、急かして川から上がらせる。いつの間にかあの人が父になっている。あっという間にジーパンから白っぽいチノパンに着替えて、またあの人に戻っている。

電車は黒で、おしゃれな洋館みたいたに窓や屋根に白い縁取りがしてあり、趣があってかなり素敵だ。知らぬ間に集まっていたお婆さんやおじさんが乗り込んでいく。
乗らないと、と思っている間に電車は行ってしまった。早すぎないか、と思う。
しょうがないので次の電車を待つ。
手持無沙汰にカタログ類を物色する。錦鯉はどうやら名物みたいだ。

また、電車が来る。次は深い緋色だ。同じようにクリーム色の縁取りがしてある。
今度こそ、と思うが、またも乗り損ねた。
周囲の人もそこそこ年に見えるのだが、あの素早い電車にどうやって乗り込んでいるのであろうか。とても間に合わない。

また、次の電車が来た。今後は深緑色にベージュの縁取りの電車だ。
やっと乗り込むと、席がない。2人がけの個室ばかりで構成されているようだ。既に乗り込んでいたおばさんに嫌な顔をされる。座っているおばさんの膝と壁の隙間にようやく立っている形だ。
ひょっとして乗ってはいけなかったのでは、と思い至るが、電車は明るい黄緑の細い細い木々のトンネルを潜り抜けて坂を登って行く。

2013年6月18日火曜日

柘榴はあなたに渡して熟すまで待つもの

チームで競争をすることになった。
従兄弟やらもいて、どうやら家族でチームわけされているらしい。こちらに母が居る。

土手まで走って、柘榴を見つけるゲームらしい。
しかし、大きくて立派な柘榴は危険なところにしかない。行けるな、川に落ちても浅い、と確認し、猿か忍者のように斜面のコンクリ防波堤を行くと、すらすらと2個もとれた。意外と出来るな、と一息つく。
余裕ができて初めて、あの人が違うチームにいることに気付く。
あの人は柘榴を持たず、浅瀬を探っていたが、こちらの視線に気づいて、立ち上がった。
じろじろ見ていたのが恥ずかしくて、思わず立派な方の柘榴を渡す。

柘榴は玉ねぎの様な薄皮が向いてあり、白い瑞々しい綿状の中にきらりきらりと赤い粒が見えている。

割っても良いのでは、と思うや、長い指に制された。待てということらしい。熟すのは、この人が教えてくれる。

いつの間にか、古い実家の屋根の瓦の上にいる。3階は天守閣のようにみえる。
金の瓦が、所々めくれている。
先程猿のように走った際に私が仕出かしたものらしい。
指をくいと上げると、瓦がパズルのように元どおりになった。
裸足の足の裏が瓦にあたって、心地いい。
顔を上げると霞がかった山まで、青い田んぼが続いている。

2013年6月17日月曜日

Between evening and night

オレンジと紺紫の混じる空が好きだ。
ベルガモットとシナモンの香りがして、一番星がぱちんと弾けた。

喉を通り過ぎる時に、香りで味わうものなのだ、と、双子座のカストルに聞いて、なるべくゆっくり流し込んだ。

その後は乙女座のイプシロンが眠る為の濃紺のお茶をくれるはずである。

3

眩しい。眼が開けられないほどだ。
真白な空間に真白な服で横たわっていた。
漸く眼が慣れてくる。

起き上がると、服がやたらごわごわして着心地がよろしくない。
麻なのか、糊のききすぎた木綿なのか、まだ堅くて新しい感じがする。
壁らしきものはあるのか、稜線の陰を探すが、全くみつけられない。
絶望的に広い空間なのでは、と思う。

ふと、眼にある形が見えた。3だ。
3の形の淵に陰が見える。まるでエンボスである。
近づこうと、恐る恐る足を踏み出す。
この空間の様子がわからない。
慣れ始めて、徐々に歩みを速める。しかし、全く3に近づけない。ランニングマシンにのっているのかと思えるほどだ。
気づいたが、3はかなり遠くにあり、巨大なようだ。段々と見上げる形になるのだ。

へとへとになりつつも、3を追う。逃げてはないのだが、ここまで遠いと、追いかける形になっている。

がむしゃらに歩く。もう、3は3に見えなくなってきている。足は棒のようだ。でも、やめるわけにはいかない。やっと、3と思しき場所まできた。

すると、彼方に4が見えた。


2013年6月16日日曜日

才能マーケット

だだっ広い白いホールに小学校で使うような机が無数に並んでいる。しかも、一列しかない。所々に申し訳程度に蔦が生えている。広過ぎるからそう感じるのか。

同僚が座り始めた。
今日はコンペらしい。アイデアを形にして、それが評価されるようだ。
私も考え始める。

どうも、テーマがよくわからない。同僚がどんどん形にし始めるので、参考にして自分なりの何かを考え出す。遅れをとっているので、焦るが、嫌な焦りではない。何かできるはずだ。

すぐ後ろに座っていた同僚はカエルをテーマにしており、頭の左右上部にピンポン球を忍ばせて、グリーンのニット帽を顔まで被っており、なかなかのアイデアと思う。
プレゼンでもウケそうだ。褒めると、満足気に照れている。

私はアイデア、しかも役立つもので勝負だ、と思う。ピンとくるものがでたので、プレゼン用の試作を検討し始めた。具体化の条件を考え出すと、とまらない。すぐそばにあるドアから出て、材料を探しに行こうとする。

ふと、蔦の葉の明るい黄緑が目に止まった。

2013年6月14日金曜日

Somebody says something

恐ろしく眠い。
身を投げ出すようにベッドに横たわろうとする。
ベッドのマットレスに見えたものは水だった。水面ぎりぎりで気付くが、もう遅い。どぷんと水の中に飛び込む形になった。

水は透明度が高く、ラムネの瓶の色だ。
ただ、重いのか、どうも水流がもったりして、ぐにゃりぐにゃりと視界が歪む。
マットレスの厚さとは思えないほど、上の方に水面が光っている様子が見える。
水中は音がない。おかしなことに自分か、泡が出ていない。というか、水はどんどん私に入ってくる。それとも、私が溶けているのか。
目の前が真白になった。怖くて眼を瞑ったつもりだが、白が消えない。
よく見ると白に陰ができている。更に眼を凝らすと、布目が見える。
白のシーツで、ベッドの上だった。

誰がが教えるように囁いていったが、眠さに勝てず、そのまま眠ってしまった。

2013年6月13日木曜日

漫画的活劇

古くからの友人と遊ぶ。
妙に新しく綺麗な明るいホールで観劇の後、話が盛り上がって、3人いるうちの1人の家にお邪魔することとなった。

彼女はワーゲンのゴルフを中古で買っていて、乗せて行ってもらう。
前に2人、後部座席に私が乗り込んだ。
何やら情報不足のような感じで、内装が簡単すぎる。
まるでおもちゃか不出来な漫画絵のようだ。

車は国道を走り、陸橋を潜り抜けようとしている。
話は先程の観劇で盛り上がり、私が思わず興奮して立ち上がると、車中の比重バランスが崩れて後ろに傾き、反動で車体が前方へ叩きつけられ、エンジンが爆発し、大破した。
スローモーな炎の中で、あ、FFか、と思ったら地面に放り出された。
死か大怪我を予想したが、薄汚れただけでなんともない。

事故と無事を知るや否や、家族から大目玉をくらった。

2013年6月12日水曜日

鳴かない鉱石鳥

グレーの鳥がいる。
地味だな、と思う。オウムやインコはあんな綺麗なのに、と。
せめて美しい声で鳴いたらいいのに、と口笛で誘ってみる。お構いなしで全く鳴かない。
ちぇ、と離れようとしたら、頭が震えて、涙を出した。
鳥籠の中にアメジストが転がる。
私はいたたまれなくなった。

音のない雷

遠くの空に閃光が走っている。
紫と紺にに光る。
見つめるのみだ。
雨はない。
音もない。
ただ、ただ、雷が空を走る。

この世界は、

いつも気付くと、そこにいる。
そこにいるから、気付く。
しまった、と思う。
そこにいかないように、と思うのに、考え事をしながら歩いたりすると、もうそこにいる。
いつ入り込んだのか、それとも入り込んだことに気付かない、気づけないのか。
この世界は、

2013年6月11日火曜日

砂漠死闘

古い木造校舎の、自分の居る教室から最も離れた部屋に懇意にして居る海外からの友人がいる。
褐色の肌と強い眼と黒い髪と料理の腕を持ち合わせた人だ。
最近、奴の様子がおかしい。嘘をついている。
心配して見に行こうとする。

すると、同じ教室にいる親友が、大切な鍵となるX形のモチーフを置いて、別の友人との仲直りに出かけてしまった。彼は暫く、このモチーフにかかりっきりで、仲が微妙になってしまったのだという。
案の定、モチーフを狙う奴らに盗まれ、部屋を荒らされる。
しかし、盗んだ奴はバリの鬼の面を被っている。下っ端の頭の良くない野郎らしく、盗みを働いた親友の部屋でごそごそ何かやっている。
どうも、親友の飼っている狛犬がどうしても欲しいらしく、餌で釣っていた。
狛犬は親友への忠誠が堅く、全く効果がない。
下っ端は追い払い、狛犬と抱き合って喜ぶ。狛犬なので、石でできており、硬くてざりざりする。

狛犬の餌をホームセンターで買おうとしていると、紫の旋風が来た。
親玉が攻めて来たようだ。
黒く長い顎鬚をたたえ、紫のマントを纏っている。マントで飛ぶので、風のようだった。
すぐにどこかへ行ってしまったので、追いかける。

探しにいくと、見渡す限りの砂漠が拡がっていた。
これは探すのに一苦労なのでは、と思うも、もしかしたら、マントで自分も飛べるのでは、と気付く。
マントといっても頭からすっぽり被る袋状の布で、伸縮性が高い。
被って腕を広げ、風をはらむと、ふうわりと浮いた。
身体の向きを変えると、方向転換ができるようだ。
恐る恐る試しながら、一つ目のオアシスに着いた。
深緑の蔦を編んだドレスを着た、でっぷりとした女性が迎えてくれる。
ショーとヘアにくるりとなった前髪が可愛らしいが、落ち着いた大人の女性だ。
一目会った瞬間、友達だった気持になるかのように、自分の味方だとわかる。
彼女とハグすると、奴は中央テントにいると教えてくれた。

中央テントは、オアシスでの食事を求める人でごちゃ混ぜだ。
隠れるには格好の場所だなと合点する。
紫のマントなぞ、目立つのですぐわかると踏んでいたが、薄暗く、なかなかわからない。
しかも、よく見ると、色違いのマント姿がたくさんいる。
自分もそうだ、と気付いて、間抜けな己にがっかりした。

ようやく顎鬚を見つけて、腰をいれて殴り、口から炎を吐いて焼こうとするが、喉がつかえて炎が出ない。
仕方なく殴り飛ばすと、空へ逃げようとするので、自分も飛んで、回転で弾みをつけて殴り飛ばした。
奴は砂漠に突き刺さった。

雨線による二等辺三角形

霧雨が音もなく降っている。

勢いはないが、風が強くないので、直線状に降っている。
雲から落ちる時に落ちる面の角度が影響するようだ。
とあるポイントから同じ角度に雨が拡がって落ちる。
すると、地面を底辺とした、二等辺三角形のような格好になる。
二等辺三角形地帯の中にいたら、さぞかし愉快だろうと思う。
そこは雨が避けられているのだから。

しかし、自らの顔にかかる優しい雨の指先に、恵みを感じて、己を恥じ入った。
ないものねだりは与えられて初めて芽生える気持である。
今の恵みを貪ることにする。

2013年6月10日月曜日

扇塔

塔がたくさん建っている。
どうも棒グラフのようで、可笑しい。

天神を冠する塔にダブルクリックで触ると、階層に属性が設定できるようだ。
早速、属性設定し始めると、最上階が扇形に開いて、緋色の菱の模様が見える。
天神塔はどうやら扇をシンボルとする様子だ。

2013年6月9日日曜日

蝋燭草と青い眼の白虎

火の色の花が咲くことから、蝋燭草という名がついたらしい。
花弁は細長く、拡がらずに筆先のような形になる。
根元から、白、黄色、朱色になっている。
正に蝋燭の炎のようだ。
葉は白っぽい緑で、これがまた花の色を引き立てる。

今、私は草原にいる。
暗い中、花の色が月明りを受けて光り、本当に火が点いているようだ。
蝋燭草が一面に生えているので、地面がぼんやり明るい。
まるで、魂を送る儀式のようだ。

黄と朱の合間に、黒い影が潜んでいる。
青い眼が光った。
自分よりも大きい獣のようだ。
青が爛々と音もなく近づいて来た。
そうか、何か妙だと思ったら、ここには音が全くない。

気付くと、青は目の前まで来ていた。
獣の正体は白虎であった。
蝋燭草がたくさん生えていなければ、すぐに見つけてしまっただろうほど、見事な白の毛皮だ。
縞も緑がかったグレーで、美しい。

白虎は私を見つめている。
わかった、と私がうなづくと、あっという間にひとのみにされた。
白虎の中は時間だった。
豪速で何かを遡り、送ると、あまりの情報量に気を失った。

気がつくと、部屋のベッドに居た。
窓から入道雲が見え、ツクツクボウシの声だけが聴こえた。

2013年6月8日土曜日

あくびが教える何か

休日、暗い部屋で休息をとっている。
タオルケットは洗濯したばかりで、ふわふわと心地いい。

ふと、インターホンが鳴った。
居留守を使おうと、一度そっと受話器を上げて、注意深く元に戻す。
すると、外の空気の音がまだ聴こえるので、きゅっと受話器を押し込む。
が、受話器から男のあくびが聴こえる。
怠けた来訪者だ、と思うが、相手のあくびですら聴こえるのだから、こちらの息も聴こえるかもしれないと怖くなり、息を潜める。

来訪者はあくび以外何も言わずに去って行った。

留守番ワインバー

準備中のワインバーにいる。
ダークアンバーの床はぴかぴかで、たくさんのグラスがカウンターの上に吊るされており、形はそれぞれ違うものの、どれも磨かれて美しい。
私はワインのことはわからないが、ラベルを観るだけでも楽しい。
バリエーションから、店主が愉しんで選んでいるのがわかる。

店先では常連だか近所だかの人々が犬を中心に楽しげに話している。
まだ昼間なので炭酸水を飲んでいる。
泡が細かくて、すむーすだ。

ふと店主が、パーティは夜だから、ちょっと買い出しにいってくる、と留守番を頼まれた。
はいよ、と引き受けて外の喧騒をドアを隔てて眺める格好をとる。
でも、私はワインはあまり飲めないな、と思う。
シャンパンと、シャンパンのふりした炭酸水で許してもらおう。

2013年6月7日金曜日

醬アロマ

堪らんいい香りがする。
懐かしいような、今気付いたのか、熟した、爽やかで、甘く、スパイシーな。
瑞々しい、香木の掠れた、弾ける、蕩ける。
ああ、もう顔を埋めてこの香りに没頭したい、しゃぶりつくしたい、と思う。
それが私の国の香り。

銀色猫柳

ころころと遠くで音がする。
何か風か吹いて、低い音の鈴が鳴っているようだ。

キラキラと白とレモンイエロウがいい香りだ。
からからと乾いたいい風が猫柳を空のティーカップに運び入れて行った。
白い猫柳がもぞもぞ動いたと思ったら、小指の先程の、銀色ペルシャ猫であった。
銀色猫柳はティーカップのつるつるが楽しく、いい気持らしく、ころころ笑う。

ああ、先程から聴こえる鈴の音は銀色猫柳であったか、と合点する。

2013年6月6日木曜日

買い物

実家から戻ることにする。
出発は明日だ。

帰る前に、ケーキを作ってくれと頼まれ、家族で買い物に行く。
すると、母が割引券を忘れたから、取りに戻りたいと言い出す。
言い出すや否や、どんどんと腰が曲り、あっという間に90は越えていそうな老婆になる。

お父さん、お父さん、と父を探している。
たまらなくなって父を見るが、父は腕組みしたままだ。

弟を見ると、弟もショックを受けている様子で、混乱している様子がよくわかる。

罪悪感と後悔と恐怖がないまぜになって、目が覚めた。

嘘っこポップアイコン

大学の先輩といい雰囲気になる。
しかし、相手は既婚者で、その気もないのでその場を離れる。
うーん、と思って出世頭の売れっ子と、その気もないのに付き合うことにする。

会う約束をするが、その気もないので、気乗りしない。
鏡を見ても自分の感情を読み取れなかった。
気乗りしない約束に、遅刻しそうになる。
自転車を必死で漕ぐが、登り坂なので、そうそう速く走れない。
やっと駅に着くが、もう行くのも嫌になっている。
会って話した内容の記憶がない。
覚えているのは、メロングリーンとレモンイエロウと、スカーレットのキャンディフレークがしましまに入れられたキャンディフレークサーバのみだ。

2013年6月5日水曜日

木曜日ループ

母に起こされる。
朝ご飯の菓子パンを食べ、歯を磨き、園の制服を着る。
靴下の柄は葉っぱ模様だ。
木曜日だからね、と母が言う。
自転車の後ろに座らされて、送ってもらう。

到着すると、よろしくお願いします、と挨拶をして、母は慌ただしく行ってしまう。
17時になるまで我慢、と思う。
同じ組のみんなとお絵描きをし、昼を食べる。
大根が食べられない子がいて、驚く。
布団を並べて昼寝をする。
いつ見ても、他のお家の子達と寝るのは不思議だと思う。

今日は木曜日なので、おやつはマカロニにきな粉をまぶした、大好きなあれだ。
16時になると、皆、お迎えが来て、嬉しそうに帰って行く。

居残り組は、皆仲良しだ。
年も違うが、同じ寂しさがある。
まだ土曜日まで一日か、とぼんやりブランコで秋の空を仰ぐ。

母が迎えに来て、私も嬉しく家に急ぐ。
今日は給食にも大根が出たのだか、また大根の味噌汁がついていた。
大根嫌いでなくてよかったと思う。

父が帰宅して、テレビの時間だ。
木曜日なので、いつものクイズを観る。
クイズの答えがわからないまま、CMに入ってしまう。
お風呂を急かされる。
母と弟とお風呂から出ると、飛んで行って父に答えを聞くが、うたた寝のせいで見逃しており、ぷりぷり文句を言う。

布団にはいり、父に本を読んでもらっていると、眠くなって来た。
灯りを消して出て行く父の姿が見えていたのか、わからない。

母に起こされる。
朝ご飯を食べ、歯を磨き、園の制服を着る。
靴下の柄が葉っぱ模様だ。
今日は木曜日だ。
驚いた。自分は木曜日を何回過ごすのか。
大好きなおやつも、大根も、クイズも絵本も二度目の薄ぼんやり味で、不安なまま、寝床につく。
父が寝室から出て行くのを今度は不安な気持で見送る。
どうしようか、と悩む内に、不安ながらも眠ってしまう。

母に起こされる。
やっと金曜だった。

私は木曜日ループから抜け出したらしい。

クリームレモンサワア

入道雲の白のもこもこが愛らしい。
まるでバニラアイスのようだ。

すると、空の青は、ソーダ水だ。
反転してレモンイエロウになったらさぞ愉快だろうに、と思う。
すると、鈴を転がすような笑い声が通り過ぎて、
私がひっくり返ったかと思うと、
空がレモンイエロウに染まった。

クリームレモンサワアだ。
クリームレモンサワアだ。

2013年6月4日火曜日

数Ⅱ金星

グレーの薄汚れた校舎の床が目に入る。
同級生3人らとおしゃべりしている。
同級生のはずだが、私が1つ年上のような、扱いだ。
なぜか数Ⅱを教える。

教えていると、同級生が人形だと気付く。
顔がのっぺりとしていて、目鼻はお飾り程度だ。

人形相手だと思うとどうでもよくなって、テキストをその場に置いた。
テキストが風にあおられてぱらぱらめくれると、数字が風に溶けて真っ白になった。

どこか洋風の家の屋根裏部屋から、天窓の真ん中に金星を眺めつつ、ベッドにもぐりこむ。

2013年6月3日月曜日

人工知能設計と街を使った課外教室

かのT大で講義を行う。
画像選択時の好ましさが課題として前段にあり、その認知上の理由を理解して、人工知能に反映するという内容だ。
アシスタントが、教室が取れず、途中に移動を挟みますと、伝えてきた。
ショートヘアの賢そうな女性だ。

前半は外のグラウンドを使った。
学生は割とたくさんいて、ざっと100名はいるだろうか。
課題の選択とその理由を確認していく。
画像のA、B、ときて、選択人数と理由を確認していく。
その他の確認を行った時に、鬱っぽいというか、気難しい学生が発言をしたがって、答えられるだろうかと不安になるが、学生らしい、かわいい発言だった。
そこで、教室移動のタイミングとなった。

アシスタントが教室の移動指示を出しており、何だか自分よりも先生っぽいなと苦笑いしたら、教授と准教授が、おい、先生らしくなったじゃないかと声をかけてくださった。
見透かされたようで、恥ずかしい。

何故か閉まっている商店街を通って移動する。
雨よけの柱が紅くて、鳥居のようだ。
この後は人工知能の人間らしさと好ましさについて言及しなければならない。
ワークショップ形式で議論を行い、考えることで、理解を深める工夫を行う。

目玉柄

洗濯物の中に蛾が入り込んだようで、それらしき影がぱたぱた飛んでいる。
虫が嫌いなので、やだなと思いつつも、触ることはできない。
脚にあたって、うわ、潰したか、と思うが何処かに行ってしまってわからない。
特有の鱗粉を含むしっとりした冷たさが更に気持ち悪い。
母が、まあ仕方ないよと諭してくる。
そうか仕方ないかと思うが、警戒しながらまた眠りにつく。

掛軸犬

床の間に犬の掛軸がある。
仔犬の群れている様子を描いたもので、やたらめったら可愛らしい。
日本画ではこのような可愛らしい雰囲気のものは珍しいのでは、と思う。

昼寝を始めると、掛軸から仔犬がころりころりと抜け出して、きゅんきゅんと遊ぶ。
寝ている私の上に乗っかるのもお構いなしだ。
そのうち疲れて一緒に眠る。

目が覚めると、仔犬はまた掛軸に戻ってすよすよと寝息をたてていた。

2013年6月2日日曜日

ハートとクローバーと鴛鴦と

妹を守るために家で鍵をかけ、自分の仕事もしなければならない。
だが、妹は休日保育に行きたいと言う。仕方なく、保育園まで送り、一度家に戻る。
自分も子供なのに何だろうかとぷりぷり不満に思う。

妹を迎えに行く時間となった。戸締りを確実にしなければならない。鍵の束を持ち、玄関の鍵を閉めて、迎えに行く。
遠くで雷が数本落ちている様子が見える。急ごう。

保育園から妹を連れ出すと、妹はその鍵で大丈夫かと言い出す。
小さいのに大したことを言う、と感心する。

急ぎ帰ると、家は巨大な石造りの屋敷になっており、ハートの鍵で全てを守らねばならない。が、鍵がばらばらで守りきれない。
クローバーがやたらと攻め入って、いろいろなものが盗まれる。
腹が立って盗み返すと、戦争になった。

暫く小物とやりあっていたが、私の3倍は背の高い、灰色の肌、長い黒髪、紫の爪の王子が来て、腹心の部下を石にされてしまう。その代わり、彼のつれていた爺やも共に石になった。王子は顔に出さないが、悲しいみたいだ。王子と言ったが、性別はわからない。
自分の部下を石から戻すために、ハートの鍵の抜けを探すと言うと、王子は助けてくれるようで、共に屋敷から出た。

斬り付けると増え続けるカエルの化物に捕まった私を見兼ねて、王子がハートの鍵で鴛鴦を召喚した。
山吹色の車ほど大きな美しい鴛鴦が現れたが、邪悪な存在に落ちた王子は、本来乗り込むことは出来ない。私は鴛鴦の鞍みたいな大きなポケットに入り込んだ。王子は勢いで鴛鴦に乗った。乗れている。王子も驚いている。
カエルを見下ろしながら、彼の高揚を見て、私も笑顔になる。

信天翁の誘惑

海猫が鳴いている。海岸にいる。
確か、みゃあみゃあというはずだが、何だか声がおかしい。
こうこう言っている。

近づこうとするが、なかなか近づく事が出来ない。
そのはずで、海鳥はやたらと大きい。随分と遠くから見ていただけだった。
漸くそばまで来ると、海猫ではなく、信天翁だった。私よりも大きい。

信天翁は自分の背中に乗れというが、眼が鋭く、金色にぎらぎらするので、不安になって首を横に振った。
しかし、やたらと押しが強く、乗せられてしまう。
すぐに飛ばず、とことこと歩く。信天翁があまり揺れないように配慮してくれているのが分かり、疑って悪かったと思う。
羽毛が優しい。日の香りがする。

少し早足になったかと思うと、そのまま低空飛行にはいっていた。海面すれすれを音もなく飛行していく。ステルスのようだ。何かに気づかれるとまずいのか。羽毛に隠れる。
離れ島に着くと、洞穴にはいった。暗い中、信天翁の白さだけが灯りだ。
信天翁がここだよ、という合図をくれる。
洞穴の巨大な水たまりに白い鯨が居た。

私だけが


母と妹が泣いている。
父と弟は顔が見えない。でも悲しんでいるのが分かる。

そうか、私だけが。

YOじいちゃん!


道路の地面すれすれを飛ぶ。
景色がセピア色だ。

祖父の家付近に来た。

元気かい!

オクトパスホラー


じめりじめりと湿気が高くて不快だ。
気がつくと、腕に酢蛸の足がびっしりと生えている。
ぎゃっと思って、なでると、ぼろぼろと取れる。
取れるのだが、取れた跡が、クレーターのような跡になっており、悲しさと恐怖で叫ぶ。

また遊ぼ


真っ白なところにいる。
まぶしい。が、段々目が慣れて来た。

すると、しゃがみ込んでいる人がいる。
よく見ると、祖母だった。祖母と気がつくと、ラベンダー色の空気が彼女を包んで、きらきらする。
流石、おしゃれなおばあちゃんは違うぜと思って笑顔になる。
おばあちゃんの視線が優しい。

遊びに来てくれたらしい。

fly to the moon


目が覚めると住んでいるマンションの屋上が見えた。
ああ、と思っている間にも体がすごいスピードで上昇して行く。あっという間に飛行機から見るような夜景になった。でも、高度が少し低いだろうか。道路の様子がよくわかる。

意志通りに飛べるのでは、と思い、246を目指すと、結構なスピードで西方向へ動き出した。でも、つまらないので南下して海のほうを観に行く。

ちょっと下心が働いてあの人の家の方向へ飛んで行く。でも細かな場所が分からず、おろおろする。

春電車


窓から春の景色が見える。
何故春だと分かるのかと言うと、菜の花の黄色と葉の明るい黄緑が一面に美しいからだ。
かたたん、かたたん、と音がする。2両編成の電車に乗っている。電車は菜の花の美しい中を進んで行く。
線路が真新しいのか、銀にきらりきらりと光る。

電車には同僚が乗っている。
みな眠そうだったり、話していたりするので、特に邪魔をせず、窓からの景色にまた目を移す。
熱くもなく寒くもなく、心地いい風が頬をなでていく。

いつの間にか降りる駅だ。
小さなホームが見えた。同僚はもういない。
改札を通って緩い坂を登って行く。気付くと学生カバンを持っている。

家に着いた。何だか扉が大きく、背が高い。自分が縮んだかのようだ。
新築で明るい白木の床がまぶしい。
色とりどりの積み木で遊び始める。あれ、と思って自分の手を見ると、5歳程の子供の手だ。そうか、私はまだ子供だったのか。

窓を見上げると、オレンジと紫が美しくまじる空に金星が光っていた。眠る時間だ。
抱き上げられて、ふわふわのガーゼの布団をかけられる。眠る事が不安でぐずる。優しい手がとんとんとお腹の辺りをたたいてくれるので、安心して眠くなる。
眠る前には私は赤ん坊になっていた。

春の電車が連れて行ったのは「家」だったのか。

今日からそこが


小高い丘の上から輝く草原を見下ろす。
風が丘をなでて、さらさらと光っている。明るい黄緑と明るく晴れた空と遠くに海が見える。

ぽつりと2階建ての白い壁、赤い屋根の一戸建てがある。今日からあそこが私の家だ。

かもしれない


大好きなあのヒトの背中しか見えない。
顔が見たくて苦心するのだが、するりするりと顔が見えない。

背中が好きなのかもしれない。

focus


目が覚めると、父の田舎の家にいた。
年代物の簞笥があるから、違いない。黒い鋳物の金具がそうだ。

母屋と客室を繋ぐうっそうとした庭はつぶして駐車場にした。
前庭にはトウモロコシを植えており、裏庭にはイチジクの木がある。
夏でしばらく雨が降っていないので、水琴窟に水を入れて、音を聞きつつ庭を眺める。

ああ、晩年のおじいの目を楽しんでいる。気付いたら目が覚めて、自らの手を見つめた。

追われる


小学校の旧校舎の中を走っている。木造の1階建ての、忘れもしない、下駄箱の並ぶ、黒ずんだ廊下だ。
こんなに広かっただろうか。暗い。何か悪いものから逃げている。
風のように速く走れるのだが、校舎がずっと続く。抜けられない。

追いかけて来るものは真っ青な服を着ている。カニのように横走りだ。足も8本あるようだ。袖の数が多い。人の頭がついており、まっ黄色のカツラをかぶっているようだ。

漸く渡り廊下に出た。悪いものは旧校舎から出られないようだ。
肩で息をした。

ふわふわどんどん、じゃあね


暗い。そしてなま暖かい。
湿度は高くないみたいで、心地いい。

フワフワと腕をくすぐる何かがある。
目と鼻の先に毛足の長い、気持ちのいい毛布みたいなものがあった。
暗いのだが、明るい茶色と濃い茶色の大柄な縞模様である事が分かる。
よく見ると、呼吸しているように上下する。
ぐるぐると言って、気がついたが、大きな大きな猫だった。バス程の大きさだ。というか、あの著名な猫のバスだった。

乗り込んでいいよ、という気配がするので、足を踏み出す。ドアがみょーんと開いて、乗り込むと、足が沈む程の柔らかさだ。
ふんわり浮いて、夜の街並を見下ろしながら、どんどんどんどん走る。気持ちがいい。でも、どこまで行くのかふと不安になった。
すると、小学校のグランドに降ろしてくれた。
目の金色が、大好き、でもお別れだと言っている。

目が覚めると自分の頬に泪の跡があった。

送る

夏の空が綺麗だ。抜けるような青磁色と入道雲、綺麗だが悲しい。

祭の音が遠くに聞こえる。
でも上を向いているので空しか見えない。
一人だ。悲しい。でも涙は出ない。

あ、祭の音は、私の葬儀かと気付いて、悲しいが笑顔になる。

円弧夜明けに向かう


昏々と眠る彼女の指が一度震える。

藍の空に黒く映るのはどこかの家のようだ。
木々がうっそうと茂る中、夜の怖さから逃れたくて家に入る。はいると玄関と電話台があり、ああ、これは以前住んでいた家だとわかる。でも夜は私を逃してはくれず、藍の空がそこに迫っている。

電話台に壺があり、猛烈な便意を覚えた私は、壺のふたを開け、腰を下ろす。
カドミウムイエロウの油絵の具が壺から溢れ、うわ、汚い、と思うが、臭くない。ふと気付くと家の中ではない。外だ、と藍の空を見上げて気付く。夜はやはり私を逃してはくれない。
諦めて、目を落とすと、2つの光がちらちらと見える。
白い小動物だ。光っているように見えたが、白いせいかと思うが、光る粉のようなものが動きの軌跡を描いている。2匹は手のひらに収まる白い狐と龍だった。
何か不満げに話しているようだが、当然何なのかわからない。
気付くと、目の前に鏡があり、女の子が閉じ込められている。どうやら、2匹の不満はそこにあるようだ。

何となく指でつついたら、鏡は風船がはじけるように割れて、女の子が飛び出し、壺から水があふれ、その勢いで藍の空に放り出された。

女の子は実は龍だったらしく、本来である、火を守る役割が出来ると嬉しそうに話しながら、夜明けに向かって行く。狐は火の勢いを助ける風のようで、2匹はくるりくるりと円弧を描きながら夜明けに向かっていく。

ぽかんと眺めていたら、眠っていた彼女が目覚めているのが分かった。彼女は私だった。

来い


冷たい汗が首筋を伝う。でも恐ろしく寒い。

白い床を煌煌と無数の蛍光灯が照らす。巨大なスーパーだ。背の2倍はあろうかという陳列棚が並んでいる。

誰もいない。

黒光りするエイリアンが私を捜している。

逃げに逃げて、製氷機まで辿り着いた。
氷で奴をしとめる。

昭和娯楽っぽく


同級生のうちに遊びに出かけた。
小高い丘の上に住んでいるので、自転車で行くのはしんどい。坂で自転車を押しながら歩いていると、爆発音が聞こえて来た。

戦争だ。

味方と思しき側の、掘り込んだ地面の影に隠れて、低い姿勢で爆破の衝撃を避けつつ、銃に弾を込める。
しかし、素人は素人、すぐに撃たれて倒れ込む。

丘の頂上にゴジラが見えた。

快晴


目が覚めると、白い壁と明るい無垢の床が美しい広めのワンルームに居た。外が爽快に晴れているのが見える。窓はなく、解放空間みたいで、ベランダと繋がっているようだ。ふと不安を覚えた。

隣の部屋から話し声が聞こえる。隣は何故か同僚の背の高い男性の部屋のようだ。失敗した、同僚と隣とかあり得ない、と苦々しく思う。
しかも、仕事に関する打ち合わせをしているようで、もう一人の同僚の女性の声が聞こえて来た。
増々いやだ、寝て休んでいたいのに、と思う。洗濯もしなければ。

嫌に声が通るなと思ったら、隣と繋がっているようで、テレビとカーテンでその入口を塞いでいるだけだ。
丁度、打ち合わせを切り上げて昼食を買いに出たようなので、隣と繋がるカーテンを確認しに行く。ガラス戸みたいなものがあるので閉めておく。
安心して眠れる、と思ったらみんなが戻って来た。
ひげの上司が私の部屋に入り込んで、「いやに広いとこに住んでるねえ」と言ってベッドの隣に座る。
人の部屋でベッドに座るなんて、と不愉快に思う。しかし話し込む。

外は快晴で、抜けるような美しい色だ。

ブログコンセプト

明晰夢を見る事が多いので、日記的にメモして行こうと思います。
あらためて見ると、自分の脳の創造性に驚きます。
脳がその日の最も記憶に残った内容を咀嚼するために、眠りが浅い時に整理するのだと思っていましたが、それだけではないように思えます。