旅の支度をする。
骨董屋でしか見かけないような豪勢な家具や調度品の並ぶ部屋で革張りのトランクを見つける。赤の使い込まれた深い艶が部屋の赤絨毯とのコントラストを感じさせる。
外へ出ると、雪が降ったのかと見間違う程、辺り一面、白い玉砂利の広大な庭が広がっていた。浮島のように、五葉松が整えてある。出てきた家は深緑の屋根の巨大な寺のようであった。
では汽車に乗りますと父に伝えると、これも巨大な黒々としたバイクが家から出てきた。こんな機械らしさを全面に出したようなごつごつとしたものが家の中にあったんだろうか。それにジュラルミン製のケースを入れて、後から追うと言う。
線路は雪の白い床に青銅色に光るコードが垂れているように見える。ポツリと見える駅に向かう。
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