2013年9月30日月曜日

点と線

父方の実家に行くことになった。
旅の支度をする。
骨董屋でしか見かけないような豪勢な家具や調度品の並ぶ部屋で革張りのトランクを見つける。赤の使い込まれた深い艶が部屋の赤絨毯とのコントラストを感じさせる。
外へ出ると、雪が降ったのかと見間違う程、辺り一面、白い玉砂利の広大な庭が広がっていた。浮島のように、五葉松が整えてある。出てきた家は深緑の屋根の巨大な寺のようであった。
では汽車に乗りますと父に伝えると、これも巨大な黒々としたバイクが家から出てきた。こんな機械らしさを全面に出したようなごつごつとしたものが家の中にあったんだろうか。それにジュラルミン製のケースを入れて、後から追うと言う。
線路は雪の白い床に青銅色に光るコードが垂れているように見える。ポツリと見える駅に向かう。

2013年9月29日日曜日

アントレプレナー

親友がせっせと作業しているので何かと思う。ガラス越しに見ていると、どうやら同人誌を作っているようだ。
印刷製本されたものが段ボールに入っている。
それらを知人と売りに行く。
展示場で売っている筈だが、空が見えていてまるで市場のようだ。
隣は男性で、軽く挨拶する。
まず値段が分からずまごつくが、徐々に普通に客相手ができるようになる。
場所を移してまた売り出す。背後に水槽があって、網を使って魚をからかう。昔の担任先生がいて、何かをなくしたらしく、荷物を預かって探しに行っている。探し物はすぐ見つかったようだ。

帰りに流行りのファッションの店に行く。スニーカーを見ていると、男性有名人が来て語り始めた。自分は自分で思うポイントがあるなあなどと考えていたら、出店することになった。兎角スニーカーはポイントがある。
出店の後、海外の店に視察に行く。
やたらトイレに行きたくなって急ぐ。
変に未来的なデザインだが、床は綺麗なのか気になる。混んでいるためか、同時に入ろうとする人がいるので、どうしますか?と聞いたら譲ってくれた。
トイレから出て、赤い照明の店に入ると、これもやたら未来的なデザインの店で、打合せ用のような、商談スペースに通された。オランダか北欧の顔立ちの化粧気のない、年齢の読めない感じだが恐ろしく話のテンポが速い(意図が通じやすいので)インテリによくいるタイプの女性が案内してくれる。彼女は2トーンの髪色で、綺麗なギブソンタックにまとめている。
この店舗では、製品テストや調査を大切にしており、生活スタイルのどのような場面で自社製品が使われるのか、どういう価値を持っているのかを確認していると言う。丁度、興味深い記録映像があるから見ていけ、と笑いながら話す。
別室で見はじめると、飛行機の映像と露のユーザーが映っており、これは貴重と思う。対象者の彼女が何でも話す。インタビュアーがそこまでは、と制す程だ。驚いていると、目が覚めた。

2013年9月28日土曜日

渡り歩く今と過去と生と死と

同僚の家に行こうと後輩と連れ立っている。やたら大きな道路を徒歩で渡るので、ヒヤヒヤするが、何とか巨大な団地についた。
同僚の母が手製のパンを振舞ってくれた。お店をされているらしい。
同僚が携帯電話で話していたと思ったら、離婚すると言う。子供もいるのに何を言うのかと思う。
そう言えば、同僚の母の店に同僚の夫が来てそそくさと帰って行ったと言う。同僚の夫は親友と一緒だったらしい。落ち込んでいる様子だったという。あの二人、仲いいもんなと合点する。

親友と昔の家にいる。
土間で1階と2階の間が別れた奇妙な家だった。土間に亡くなった筈の犬がいる。1階が通路の向こうに見えていて、亡くなった筈のお父さんがテレビを見ている様子が食器棚越しに見える。
土間に布団が敷かれて、寝ようとすると、犬が潜り込んで来た。
犬は白だった筈だが茶色で、猫のような、兎のような、ふわふわの毛である。大きさも兎程度だ。小さくなったのか。
案の定、私の腕辺りに粗相した。
私に懐いて、見つめると、よって来る。姿が透明になるマントを着たように顔だけでウロウロする瞬間があったが、おいお前胴体はと問うと、本体は隠れていて、へへ、してやったりと言うような表情で出て来るのだった。

そろそろ行く時間だ、と思うと、親友の旦那が2階からおりて来た。中学の時のジャージを着ており、これはないだろと思う。
二人は仲良さそうな軽い喧嘩のようなやりとりをした。私を送って行ってくれると言う。

ライトグレーのウールのジャケットの上にライトグレーのクロコダイルのロングコートを着る。どちらも軽く、暖かい。映画に出てくる男性のようないでたちだなあ、と思う。自分で見ているので、服しか見えない。にあっているのかわからないが、暖かくて心地が良い。
親友は旦那と子供2人と共に見送りしてくれた。

戻って、巨大な商業施設に居る。
なかなか着ないオシャレな服装なので、悪目立ちしないか気になるが、そうでもないようだ。
あの人の為に何か土産を、と思う。料理の材料がたくさんあるようだ。チョコレートをあげようか、作ってやろうか、と思うが、最近やたら親しい女性がいるようなので、もういいや、と思う。
エスカレーターで上がると、変り種の漬物を売りにしたレストランと店舗を一緒にした店が見えた。
いつの間にか手に膳と箸を持っており、インゲンの漬物が乗っていて、来まずいが、店にはいる直前に食べ切り、膳と箸を懐にしまいこんだ。

ほぼレストランのようだ。売店のみが目当てなので、入りづらいなと思いつつ、進んでいくと、売り場が見えた。季節や花の名前をテーマにしたセットがあり、その他、和風の小物が置いてある。いつも思うが、和風の小物はなかなか好みに合うものがない。
好みのセットを二つ買おうとして伝えると、追加をするとお得と案内されたが、やめておいた。

懐から出した財布もライトグレーのクロコダイルで、ツヤツヤと光る仕上げのものであった。

2013年9月23日月曜日

あの人と

広い場所で仕事している。
フリーアドレスのようになっている。木製の長机に椅子がある。パーティション代わりなのか、机のすぐ上あたりまで生成り色のカーテンが下がっている。みなカーテンと同じ色の服を着ている。
サイトの集客目標を設定し、専務と話す。

あの人と眠るために色々準備する。枕元に時計や明日のチケットがおいてある。車で出かける予定である。
あの人はすぐそこで寝ているが、別の蒲団だ。
家族がばたばたうるさい。弟妹が喧嘩している。
あの人が少し早いが起きて行こうかという。
私を見つめる配置で、枕元の障子に聖徳太子が映る。母が電灯に貼ったものが映っていたのだった。
あの人と一緒に眠るためには、お札と同じくらいの価格で泊まるかと考えるが、もう自分の部屋でもいいかと思い始める。いよいよ出かける準備をする。

2013年9月22日日曜日

同じ場所に新しく

日常化した場所、ホームでの惨事は忘れ難い怖さのホラーである。
自宅、教室、駅、通い慣れた場所であればあるほど恐怖の根付きは強い。そしてその恐怖を体現するかのように、その場所は独特の色の空気を持つ。

そんな色の病室に寝ている。

一刻も早く帰りたい。
が、治療がまだ済んでおらず、待たされている。
こんなことなら別の医院を選ぶんだった、と思う。
熱でふらふらするが、堪らず診察室から出る。すると、教室に出た。
教室だからといって、恐怖をはらんだ色が消えることはなく、抜けて外に逃げたいと思う。誰かが話しかけてくるが、顔がわからない。
振り切って外に出る。恐怖の色は消えない。
電車に乗る。うとうとすると、遠方に転職した同僚が、両親の家のあった場所に新しく家を建てた映像がフラッシュバックで部分部分が再生される。
何でも地価が上がり、また、再生材を使うので、うまく節約が出来たとの話だった。

恐怖の色は消えて、電車が光の中を走っているのがわかる。

2013年9月19日木曜日

風と急行

線路の上に立っている。
線路の下は星空だ。
線路はつまり浮いている。

踏切が降りるのが見える。
踏切の向こうに音がする。
踏切が少し揺れて見えた。

音だけが近づく。
姿が見えない。
音は私を通り抜けた。
姿でなく風が通った。

線路の上に倒れこむ。
線路の下に落ちて行く。
線路がどんどん遠ざかる。

2013年9月18日水曜日

生簀と魚

巨大ないけすに魚がたくさん泳いでいる。どれも力強く食べられる種類が多い。
ビシッと跳ねたのはちぬであった。

ポルタメントの道のり

道を滑るように低空飛行する。私は道を流れる水のようだ。動体視力やっとの速さで地面が体の下を流れて行く。
地面ばかり目で追っていて気づかなかったが、風景がセピア色だ。淡いチョコレートのようだ。
嬉しくなって加速する。
最高だ、と飛び上がると、旋風と溶けて、雲の上に飛び出た。

2013年9月17日火曜日

猛犬注意

マンションの一室で水商売のバイトをすることになった。明るい茶色のカツラをかぶって、お化粧を始める。備品の化粧品ケースにはたくさんのアイシャドウや口紅が並んでいる。ベージュと茶系のアイシャドウがうまくはいる。残るはつけまつげのみである。
ふと、トイレに行きたくなって、トイレに入ると、犬のなく声が聞こえた。何故かトイプードルだ、と思う。
薄暗い中で、足元に妙な粘度の液体が流れ込んできて、咄嗟にトイレの上に登った。すると、液体は流れるほど大量の血であることがわかった。
ごとり、とキッチンに入ったママが熊ほどの大きさのどす黒い影に頭半分食い千切られ、絶命し、倒れる音が響いた。影はむくむくと揺れている。シルエットは相変わらずもこもこのトイプードルのまま、拡大したようにでかい。大きくなると、頭の大きさがバランス悪く、酷く気味が悪い。
キッチンの影から通路を音もなく走り、ドアを突き抜け、外へ出た。追ってくる様子はない。必死に警察を呼んでくれと叫ぶが、頭のどこかが冷えており。警察では熊ほどの大きさの狂犬は退治できないなと思う。

焦燥タイムスリップ

大学前の大きな交差点にいる。
入学式だ。
過去の中高クラスメイトの顔が観える。いじめっ子も小うるさいので、一喝した。しつこいようなら更に攻撃する。
小中、仲の良かった友人にも冷たく当たる。これから成績をあげていかなければならない。
真白な教室で大学に似つかわしくない制服で席につく。居心地の悪さをかき消すように勢いをつけてノートをとり始める。水色の表紙のキャンバスノートだ。

2013年9月9日月曜日

肋骨魚艦

緑の美しい丘に立っている。
若い芽が出たばかりの丘は輝く黄緑で溢れかえっている。
奇妙に静かな山脈の向こうへ鳥の群れが逃げて行くのが見えた。
唸る空気と共に黒い影が山の尾根から現れた。
飛行戦艦である。
昨日追求の末、黒く光る鉄骨がむき出しになっている。でかい図体に見合わぬ機動性は、無数の節を反映した設計の賜物である。
プロペラを兼ねた方向変換の櫂が節と同様に無数に艦の側面に出ており、骨と内臓だけの巨大な魚の化物が空を泳いでいるかに見える。
魚は悠々と頭上を超え、何処かを喰いに去って行った。

2013年9月6日金曜日

寂しがりや長子

父母と祭に出かける。
巨大な商店街で好みの店を見つけて喜ぶ。
父母は笑顔なのに、不安にかられる。
バイクが欲しい、と思う。
栗毛の美しく輝く馬が鼻面をすり寄せて慰めてくれるので、そっと顔を寄せたら、涙が出た。

2013年9月1日日曜日

アイドルスターとの逢瀬

アイドルグループの一員と映画をみに行く約束をする。私はライターの仕事をしており、普段なら会うコトもないような人気グループだ。
中でも割と熱血な人と映画をみようとする。
映画もリリース直後で深夜のチケットしか取れず、開始まで時間があるので、ホテルの一室でお茶をする。
彼は何故か私の会社の悪口を言い出し、憤っているが、なぜそんなコトを知っているのだろうと思う。かつ、そんなことないよ、という風評めいた内容だ。
社長が部屋に来て、彼を説得しようとするが、怒っているのでどうともならない。私が間に入って、その場はことなきを得た。
映画が既に始まってしまっており、焦るも、もう一人のライターとくらい中、途中から観る。
内容はパニックホラーで、バタリアンぽいものだった。安い恐怖だが、シンプルなだけに効いた。怖がる私を慰めているうちに、アイドルは落ち着いたようだ。深夜の街を帰るという。
街に出ると、路面電車の線路が真っ黒な道路に白く光っている。
行き先は海の近くらしい。
映画の記事をどう書くかモヤモヤしながら別れた。